投稿

6月, 2012の投稿を表示しています

Mnemosyne-Atlas

イメージ
久方振りの駒場。何故かArmaniのスーツを着て。 目的はこれでござった。ああもうこの夥しい感が堪らない。Aby Warburgの著作集別巻1「ムネモシュネ・アトラス」の発刊を記念してのシンポジウムの開催に伴って田中純先生の講演が行われ、それを聴いてきたのでした。しかし一冊24000円するのよね、あれ。講演前に駒場生協書籍部の店長さんに聞いたら「一冊売れたかなあ」と仰ってました。お膝元ですらそんなもんです。私? 勿論持ってませんよ。そのうち買うとは思いますけど。それより何すかこの結界はっつー話ですが、これはヴァールブルク自身の手による http://www.flickr.com/photos/dzsil/sets/72157604478323042/ を再現したものらしく、今回の為にわざわざ作ったそうです(助手の方が。) 他のシンポジウム参加者は件の著作の共著者でもある伊藤博明氏に加藤哲弘氏、 http://sucra-rd.saitama-u.ac.jp/search/profile.do?lng=ja&id=uFnCZVSp http://web.kyoto-inet.or.jp/people/katotk/ コメンテーターに見るからに東浩紀な系統の足達薫氏、 http://www3.plala.or.jp/kaorupig/ 上村清雄氏 http://www.l.chiba-u.ac.jp/ja/instructor/detail/209/ 木村三郎氏 http://homepage3.nifty.com/saburo-kimura/ といった美術史家の御三方、に 三中信宏氏 http://cse.niaes.affrc.go.jp/minaka/ という統計が専門、及び生物学史家な方の組み合わせ。 美術史家はともかく何故に統計の専門家がここにいらっしゃるので? といいますと、ヴァールブルクは絵画をテーマ毎に分類を行っていたのですね。でそれをクラスター分析しちゃったらどうなんの、的な解説の為に三中氏は呼ばれたようです。またヴァールブルクは現在では忘れ去られた生物学者、Richard Semonの理論を自身の著作の中に引用しちゃったりしていらっしゃるので、そ

世界の起源

イメージ
「Lucian Freudお好きなんですか?」という前々から持っていた疑問を鷹野隆大さんに直接ぶつけてみたのですが。「ああ、まあ好きだけど」「ヨコたわるラフとか、構図も被写体もそのまんまなのがありますけど」「それは偶然だよ」「そうなんですか? 特に意識をしたわけではない?」「いや、意識はしてないねえ」だそうな。意識していなくてあれだけ評価の高い画家と感性がシンクロするというのも、それはそれで凄い話だけれど。 先週の土曜日に、品川から京急に乗って横浜より少し先の井土ケ谷まで行き、駅から5分程歩いたところにあるblanClassというアート系スペースにて行われたトークイベントに参加してきたのですが、それが先の鷹野さんと2008年キヤノン写真新世紀グランプリ受賞の秦雅則さんの対談なのでした。実はもう3回目でして、去年の冬頃から数ヶ月毎に開催されて今回がラスト、私は前2回も参加してきました。たぶん国内で最も変な写真が撮れるお二人。いや、褒めてるんですよ。いろんな人の写真を見ていて気付いたのは、普通の人にはどんなに頑張っても普通の写真しか撮れないということ。不思議なことですけれども。日常に向かってシャッターを押して特異なイメージを具現化できるというのは、それなりに特異な感性が必要なのです。 さて今回はそんなお二人が双方ともに新作を出すということで楽しみにしていたのですが、鷹野さんの方は… クールベでした(笑)なんともコメントしにくい。遂にこれをやってしまわれたか、という思い。色んな意味でエクストリームな新作。いや、流石でした。しかしこれやっちゃったら、次は何処へ行くんだろう? 秦さんの方はと言えば、やはり一見して普通の人間には撮れない写真だと感じました。なんともよくわからない、でも明らかに「普通」ではないイメージ。「昨日の晩までいろいろ考えていた」と仰っていましたが、私が最初に新作を見た印象は「デスマスク?」。草っぱらの中に浮かぶデスマスク、しかもアラブ人的な髭付き、みたいな。話を聞けば数ヶ月前に中判カメラ(6×9って言ってたかな?)を買ったらしく、それで撮ったフィルムを現像したあとアルコールに浸けてしばらく直射日光の当たるベランダに放置しておいたとのこと。で、それを自分で紙に焼いたと。要は腐食させたフィルムを使って作られたらしいんですね。使