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代官山T-SITEでダージリン・ティー

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先日、昨年末に代官山に出来たTSUTAYAへと行ってきたのでレポートすることにしたい。とは言えすでにわりとそこら中のブログに感想が上がっていて、アート本やらおしゃれな文房具やらが揃いまくっててすっごいね、最高! みたいなのは周知であるので、別の切り口から。2階にね、Anjinっていうカフェラウンジ的なやつがありまして、私はそこで紅茶を頼んでみたのでした。 で、メニューからしてiPadですよ。ワインバーとか、わりと内容のよく変わる店舗だとメニューを印刷して入れ替えるのって結構手間ですから、これだとマスターのデータを差し替えればいいだけなんで、そういう場合にわりと合理的かもしれません。グラスシャンパーニュはTaittingerで1500円、ブルゴーニュだとLouis Jadotとかで、まあ無難な感じ。銘柄はちょくちょく入れ替わるんだろうと思うんですけど、つまみもいろいろあるし、ちょっとだけワインを飲みたいとかいったような時に気楽に使うのに良いかも。深夜はチャージも取られるらしいですけどね。 そして何が凄いって、これです。店内に休刊したEsquireの日本版がどうやら全巻揃ってるっぽい。感涙しました。その他にもむか〜し昔のレアな雑誌がズラーっと。平凡パンチとかまで置いてあるんですよ!!  素晴らしい。こんなことが可能だなんて。驚きますね。 棚に感動している間に紅茶が運ばれてきました。2011年のダージリン・ティー、オータムナルです。この茶葉はリーフルから入れているという情報は事前に仕入れていたのですが、コーヒー豆は丸山珈琲から、パンはd'une raretéから、…と書いてあるのを見て吹き出しそうに。どんだけ本気なんすか?(笑)アールグレイやジャスミンティーなども選べますが茶葉の産地や収穫時期までは選べないので、そりゃ専門店には敵いませんけれども、この手のことを知っている方ならわかる通りに気合いの入り方が半端ないです。紅茶はこんな風に、ポットで出してくれて2杯分ぐらいは飲めるので、この空間を考えたら800円ではある意味安いかも? 調べてみたら、どうやらこの店のオペレーションはブルーノートが行っているようです。つまり音楽も最強。あと下の階の書店の写真集の揃いっぷりも笑いますね。こういう店が家から徒歩圏にあるというのは、ああ実にお

FOOD,INC.を観る

FOOD,INC.というドキュメンタリーを見ました。たぶんAndreas Gurskyを意識したような構図を多用したりと、視覚的な点ではよく作られているように思うんですが、肝心の内容が結論から言っちゃうと全然ダメですね、これは。理由は以下に。 「ファストフードが世界を食いつくす」の著者が関わっていて、もうちょっと突っ込んだ内容なのかと思ったんですが、最終的な着地点がオーガニックな、地産の食品を進んで選択しようでは。事はそう単純ではないでしょう。もっと取り上げるべきこと、アメリカ穀倉地帯の地下水の枯渇が懸念されていることや、フェアトレードの問題点なども同時に扱わなければ論外だと思います。この作品の結論では、オーガニックを騙るだけで実際にはそれまでと何も変わらない食物が流通する世界が維持されるだけで、かつ、まるでsustainableではない。 ただ、これを見ればTPPの何が問題か、ということはよくわかると思いますがね。種子ですよ、一番問題なのは。 FOOD,INC. http://www.cinemacafe.net/official/foodinc/

フェルメールとオランダの光について

考えたんですが、ただ映画評やイベントに行ってきた感想を書くだけでは然程におもしろいものにはならないと思う。従って、当ブログにおいては試みとしてなるべく1つの事象に絡めて2つ、3つのことを同時に扱ってみることにする。ただし、そのために即時性が失われてはあまり意味がないものに関しては除く。 先日「フェルメールからのラブレター展」に行ってきました。場所は渋谷、東急Bunkamuraの夕暮れ時。もっとたくさん人が居るかと思ったら、平日の6時も過ぎるとわりと空いてる感じで悪くなかった。美術展の名前からして注目は当然フェルメールなのだけど、多くの人が御存知の通りに彼は極めて寡作な作家であったため、その名前が冠されていようと大抵はオランダ・フランドル絵画回顧展の様相を呈す。今回も勿論そのパターンに違わず、彼の作品は3点のみ。 しかし、その3点は彼の作品のうちでもいずれも確実に上位に入ると思われる作品であり、中でも「手紙を読む青衣の女」はかなり大規模な修復が行われた後の世界初公開であるとのこと。会場内でもその修復の過程に関して文章での解説がなされていました。確かに修復前の画像と見比べるとフェルメールらしいあの青色が蘇っているように見えます。3点のサイズはいずれもやや小さめ。でもやっぱり作品の質は大きさではないんだよな。よいよい。 あとフェルメールも良いのだけれど、今回は他の来日作品にも秀作が多い印象。その中でもとくに目を引かれたのが父子で画家なFrans van Mierisの衣服の表現。ネットで検索してみればいろいろ見られるけれども、纏っている服の光沢の処理が、もうスンゴい。巧過ぎ。これは実際に見て損なしだと思う。 それに関連して家で「オランダの光」というドキュメンタリー映画をDVDで見る。オランダには独特の「光」がかつて存在し、それが前述のフェルメールやレンブラントといった作家が作品を生み出す源泉となった、…が、かのJoseph Beuysが言うには1900年代のオランダ北西部のアイセル湖の干拓によりそれは失われてしまったんやで、との内容。ふむふむ。湖面が光を反射して地上の鏡のように作用し、独特の「光」を生み出していたと言うのだ。まあ科学的には何の根拠もない発言であるわけですが。ボイスは直観の人だしな。 確かに、オランダの芸術の中に独特の光の存在を

コトリンゴ

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彼女の音楽を初めに聞いたのは去年の秋、千葉に向かう車の中だった。 ラジオから流れてきたその音楽は、ほんの数秒聞いただけで「なんだこれは」と、そんな幸福な出逢い方をした。 なんというか、これ程までに圧倒的な才能を現前させられると、語ることなどは何もない。思い思いに癒されればそれで良い。 音楽を生業として生きることが難しくなっている時代ですが、こういう人が出てくるうちは、きっとまだ大丈夫。 3/14にミニアルバム「La mémoire de mon bandwagon」が出るらしい。実に楽しみです。 コトリンゴ http://www.10do.jp/kotringo_new/

裸のゴヤ

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上野まで行って見てきました。ゴヤを。目玉は見ての通り着エロの、じゃなかった「着衣のマハ」です。正月に行けば空いてるんじゃないかという淡い期待もありつつ行ってみたら、まあ人が少ないということもなかったけれどごった返しているというレベルでもなく、鑑賞には問題のない程度。人の後ろ頭しか見えないとか最悪ですもんね。いや、いい絵でしたよ。別に裸体じゃなくても滑らかな布の感触が伝わってきそうな流麗な筆致、好きですけどねえ。裸体と二枚並んだところを観に、いつかプラド美術館まで行ければいいんですけど。あとゴヤはやっぱり晩年のアレがないとね。完全狂気のあの黒い塊があまり感じられなかったのがやや残念というか。マドリードまで直接行くしかないかな。 しかし、今さら知ったんですが今年の6月13日から国立西洋美術館の「ベルリン国立美術館展」で「真珠の首飾りの少女」が初来日、さらには6月30日からはオランダのマウリッツハイス王立美術館の改修に伴い東京都美術館にて同美術館展が開催され、それにはなんとあの「真珠の耳飾りの少女」が! 今現在、渋谷の東急Bunkamuraに3点来ているのを考えると、ほんと今年はフェルメールづくしですねー。「耳飾り」の方は来場者が100万人を越えるでしょうね、おそらく。猛烈な人混みを想像するにやや微妙ですが、今から楽しみですな。 プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影 http://www.goya2011.com/ ベルリン国立美術館展 http://www.berlin2012.jp/ マウリッツハイス美術館展 http://www.asahi.com/mauritshuis2012/ フェルメールからのラブレター展 http://vermeer-message.com/

GEVREY CHAMBERTIN CUVÉE V.V. 2005

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2012年一本目のワインはこれでした。造り手はPhilippe Charlopin-Parizot。いやね、実家からおせちが届きまして。泡にしようかな〜とも思ったんですが、いや、ここは赤、それもブルゴーニュだろーと思ってセラーの中から選んだのがこれで。知らない人のために一応書いておくと、V.V.というのはVieilles Vignes(ヴィエイユ・ヴィーニュ)の略でフランス語で古木のことです。一般的にはある程度樹齢の高い木の方が質の高いワインができるとされているのですが、歳がいくと収量も当然減ってきますので同時に稀少性も上がってくるわけです。 さて、パリゾでございますよ。色はとても濃いガーネット・ルージュ。2005年は長命なヴィンテージだしちょい早いかなーという気がしつつも、シャルロパンだしわりと早飲みでもイケるだろうと思い抜栓。案の定、開けた直後は少し強い感じではありましたが、30分もすると程好い感じに。そんなにすごく高いワインではないけれど、グランクリュですよって言って出されたらたぶん信じちゃうな。香りが華やか〜なタンニンしっかりめの頑強な造り。やっぱりあれだなあ、こんなの飲んじゃったら他の地方のピノ・ノワールはブルゴーニュのそれにはどう頑張っても勝てないわ、と思ってしまった。この享楽の香りが止められません。いやはや、ごちそうさまでした。

これは大変だ

http://www.fdkamiya.com/ 中目黒のBuppaがデリを始めたらしい。青葉台のドンキのちょっと先あたりの池尻寄りの場所だけれども、これでワインのつまみには困らない!

ブログはじめます

2012年元旦であります。以前からあまりにもいろんな人から「ブログやれ」と言われ続けていたのですが、別にプライベートな情報をpublicにしたいとも思わず、普段出入りしているところに行きにくくなったりはしないかとか思ったりもして、厭ですわ、そんなの。と思っていたのですが、まあなんか文章というのは定期的にきちんと読まれるということを意識して書かねばノーミソが錆び付いてしまうというようなことも同時に思っていたりして、新年の勢いに乗って(調子に乗ってとも言いますが)ちょっと試しにやってみようかという気になったわけなのです。 何も書きたいことがないというわけではないのです。ただ、ペンは剣より強し、との成句もあるように、言葉というものは実に恐ろしいもので、時にはたった一言で人が殺せます。少なくとも私はそう思っています。如何せん、わりと書きたいことを書いてしまう人間なので、ブログみたいなものをやるのはいろいろと危険も伴うと思ったのです。まあ、実際は純朴なる子羊たる私なんざがグダグダ管巻いたトコロで世の中どうなるわけでもなし、そのただの無為徒労っぷりがヤだってのもあるんですけどね、ええ。 単なる飯ブログとかにしたいとは思いません。基本的には気楽にワインとかフレンチとか本とか哲学とか映画とか音楽とか美術とかについてつれづれなるままに書くことになるとは思いますが、たまには多少シリアスなことも書いたりすると思いますし、多少の反発を招くこともあるかもしれません。でも、立場が違えば意見も違って当たり前ですし、それでいいと思っています。その点だけは予め御理解いただきたいと思います。 タイトルすらいまだに思案中ですし、あまり自分からやりたいという感じでもないので、反応が良ければ続くかもしれませんし、反応が悪ければ続かないかもしれません。そんな感じですが半ば見切り発車な感じで始めたいと思います。これを読まれている方の一時の退屈凌ぎにでもなれば幸いです。