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Alejandro Chaskielberg

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とくにホームページとかでは何の告知もなかったのですが、「実は本人来るんですよー」っていう話を前回のRalph Gibsonの展示のときにGallery 916のスタッフの方に聞いていたもので、ちゃっかり行って来ました。Alejandro ChaskielbergのHigh Tide(満潮)展、展示初日。ギャラリー内で御本人をお見掛けしたら、ドレッシーな青シャツの好青年風(といっても35か?)にNicole Kidmanみたいな美人の嫁さんと、まさにというか、玉のような赤子を伴ってらっしゃいました。えーと、読めませんか。アレハンドロ・チャスキエルベルグ、ね。 彼は2011年にSony World Photography Awardsという世界最大級の写真賞、えー、以下を http://www.dailymail.co.uk/news/article-2095791/Sony-World-Photography-awards-shortlist-2012-provides-real-challenge-eye.html 御覧の通りに超絶ハイレベルな中をPhotographer of the Yearを受賞したというアルゼンチン、Buenos Aires出身で77年生まれの若手、先日のRyan McGinleyに続きこちらも、今もっとも旬な写真家なのは間違いありません。いやー、ほんと今月は充実しているな。 何やら聞いた話によると、彼の写真は基本的に月光で何分も露光させて撮るという。風景写真でそんなのを撮る人は日本人の写真家でいた気がしますが、彼の場合は写っているのは人であります。一体どうやって撮るので? と思うのが普通でしょう。どうやって撮るのかは916の方から、伺ったら普通に聞けました。なんとポジを使用。4×5(Sinarらしい)で、手前の人物だけフラッシュを焚いて写して、あとは長時間露光で背景を写し込む。それを現像の後にフィルムスキャン、で、たぶん多少いじってからラムダで出力、らしい。と聞いて、技術的には真似出来なくはないとは思うのだけれど、途方もない手間が掛かるのは間違いないので私は御免ですわ。長時間露光によるものか、ライアンとは別のベクトルの特徴的な色、とくに空の蒼さとか黒人の肌の黒い煌めきとか(これは実際見ないと文章では伝え

Reach Out, I'm Right Here

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今現在ヒカリエの8/ ART GALLERYでも展示されている、Ryan McGinleyの作品。音楽が小さくしか掛かっていなかったので、Francesco Tristanoの「idiosynkrasia」をiPodで聞きつつ眺めていたら、かなりのシンクロ感があって素晴らしかったので書いておくことにします。#5 Fragrance De Fragaあたりが実にいい。 ライアン自身は相当なロック好きのようで(Morrisseyのファンらしい)、ヒカリエと同時に作品展が開催されている清澄にある小山登美夫ギャラリーの方で行われたオープニングレセプションでは、彼は入ってくるなり これを置き、フロアにはdiptyqueの苔の香りとともに(キャンドルの方はギャラリーに元からあった)流れるロック・ミュージック。しゃれおつですな。この辺の感覚がいかにもアメリカ人。彼の写真を私が最初に意識したのは、今は無きEsquire日本版の2005年2月号の表紙。それが今や、世界で最も旬なフォトグラファーと言ってしまっていいでしょう、しかもこのまま行けばTillmans以降の最重要人物として歴史に名を残すことがほぼ確定的。経歴は検索を掛ければすぐに出てくるので書きませんけれど、超イケメンだわ、背高いわ(たぶん190cmくらい)、Parsons出とるわ、ご覧の通りのとんでもない写真のセンスを持っとるわで、なんかもう腹立たしいぐらいにいろいろ揃ってらっしゃいます。 彼の写真というと裸体が何かと意識されがちですが、個人的には最も特徴的なのは圧倒的な「色」。色に支配された写真。それもニュー・カラーのそれとは違うし、蜷川実花的なある種の毒々しさを持った色とも違う。何か新しい感じがする、やや不思議な色の感覚。 あと意外と、人を遠方から撮った表現を好むんですよね。 http://vimeo.com/46501170 ↑これとかまさにそうなんですが、本当に彼がケタ外れの才能を持っているということがよくわかる動画。普通この曲調でこういう動画は撮らないし、撮れない。街中で少女? がスキップをしているというだけなんですが、カットの一つ一つがものすごく良く出来ていて驚きでした。間違いなく近年のベストMV。そのうち映画とか撮り始めるかもしれないな。(なんか実際