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SALUMERIA 69

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来ちゃった♡、っていうか。先日、新宿伊勢丹でイタリア展をやってまして。そこにPaolo Parisiさんという有名な養豚家の方がいらしていて、何でもイタリアに3頭しかいなかったチンタ・セネーゼなる超稀少な古代種の黒豚を飼育して復活させたという、半ば伝説的な人物らしいのですが(あと卵で有名)そのような話を聞いて私も伊勢丹まで買いに行ったものの、行ったときにはすでに生ハムは完売でサラミしか残っておりませんでした。 チンタ・セネーゼのサラミももちろんおいしかったのですが、なんかこうもやもやした感じが晴れず。したらばということで噂のこちらの店へと中目黒から自転車で行ってきたわけです。最寄りは成城学園前ですが、住所は調布市。駅前から結構歩くらしかったし電車代に往復1000円掛けるのならその分ハムに回した方がと思ったわけで、ちょっとうっかり狛江市に入ったりしつつ1時間程で到着。まあ正しいルートを通れば片道40分ぐらいですね。 私の前に来たおぢさんは、20分程も掛けて(もちろんお客さんが来てからカットするので)サラミやら生ハムやらあれやこれやを27000円(!)分買って、画像の左のタクシーで帰っていったという。呆然ですわ。イタリア展の際にパオロさんの生ハムをレストランで食べようっていうイベントをやっておりまして、そのときにそのハムをカットしに来てらしたのがこちらの店の方だったらしいのです。でそのときの話なんかを多少聞いたりしつつ、100gで6000円とかいうよくわからない値段のネロ・パルマ24ヶ月熟成を、家から持って来た皿に「3000円分盛ってください」と頼んで盛ってもらいました。いやはや、A5ランクの和牛が買えますな。もちろん100gで1000円台のハムとかも置いてありますけど。 「パオロさんの生ハムはどうだったんですか?」と聞いたら、「いやー、やっぱりあれは別格だった、すごかった」とのこと。「まあエネルギーのベクトルは違うけど、これもおいしいですよ」と買った生ハムをその場で一枚味見させてくれたんですが、なんかパルミジャーノ・レッジャーノの味がしました。もちろんチーズが掛かっているわけではないんですが、どうも餌に多少混ぜてあるようです。チンタ・セネーゼ程ではないものの、ネロ・パルマも2003年の段階で100頭程しかいなかったとのことで現在でも1000頭程度、十

さらに写真展へ

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ガーデンプレイスGRANOのワンプレートランチ。恵比寿に行くとわりといつも食べてしまう。まだ行くかって感じですが、立て続けに東京都写真美術館へと、操上和美展を観に行って参りました。 先日ミッドタウンでやっていたTokyo Photo 2012も当然行って、Inez Van Lamsweerde and Vinoodh Matadinももちろん良かったですし、Steven Meiselのオリジナルプリントも初めて見れましたし、やっぱりマッギンレー別格だわとか、横須賀功光スゲーとか松江泰治氏の作品はすごくよく考えられてるよなあとかも思ったんですが、最近見てもっとも心を射抜かれたのはどれかと問われれば迷うことなく操上和美氏の作品と答えます。 会場に入ると、まず目に入るのはやや荒めのモノクロのパネル。何でもおもちゃカメラで撮ったとかで。それが会場の半分ぐらいを占めていました。何と言うか、綺麗な写真というのはある程度の機材を揃えて訓練を積めば、それなりには撮れるようになるとは思うのですよ。ただこの類い、見たこともないのに何故か懐かしいような、ただ美しい記憶を想起させるような、そういう写真を撮れる人間というのは、極めて稀だと思います。 写真では他に思いつかないかな。視覚芸術という範中で言えば、私の知っている限りでは高木正勝氏の作品ぐらい。政治的主張とか強烈な意思とかは特に感じられない、ただひたすらに美しいだけの作品。例えるのならば、道ですごくきれいな人と擦れ違って、もう二度と出逢うことはないんだろうなと思いながらもその顔もはっきりとは思い出せなくて、でもすごく綺麗な人だったという余韻だけは残っている、なんとなく刹那いような、そんな淡い儚い記憶。それが写っている。 ただノイジーならそんな写真になるかといえばそうではないんですよね。森山大道さんの写真にそんな感想は持たないですもん。両者の一体何が違うのか、そう問われても、答えられない。こういうのって教育でどうなるというものでもないですよねえ。自分の感覚で捉えるしかない。 さて、次は篠山紀信展かな。 操上和美 時のポートレイト http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-1653.html 操上和美 http://www.kurigami.net