Gueorgui Pinkhassovワークショップ

さて、どこまで書いていいものかと思うのですが、参加者少なかったからなあ。書いておくことに価値があるとは思うので、軽くだけ顛末をさらっておくことにします。

それは先月の末のこと。2月の頭にCP+というパシフィコ横浜で行われる写真関連の展示会に「行こうかなー」と思い、なんとなく展示会のHPを開いた私。それで見つけてしまったのですね。Magnum Photo主催のワークショップの情報を。なんとマグナム正会員が直接教えてくれるという。ただ、参加費が2日で5万。「高っ」と思ったものの、いやお前、泣く子も黙るあのマグナムだぜ? 今行かなかったらこんな機会は二度とあるのかもわからないわけで、D800用に広角を買い足そうと思って貯めておいたのが丁度5万ぐらいはあるな… などと逡巡しつつ、気が付いたら「参加します」というメールを送っておりました。

数日後にマグナムの日本支社の方から当日の前日に会場の準備をしているのでもし来れれば来てくださいという旨のメールが返ってきて、前日の金曜日に仕事が終わったその足でパシフィコ横浜の会議棟へ。メールに書いてあった部屋の前まで行くとマグナム日本支社の方がいらっしゃって名前へ告げて中へ入ると、座っていたピンカソフ本人と白人の若い女性2人、あと日本人の男性。紹介されて女の人はそれぞれピンカソフの娘さんと通訳の方と判明。男性は今回の参加者の方でした。

ピンカソフはモスクワ生まれでロシア出身なのですが、現在はパリ在住との情報は事前に仕入れていたのでフランス語で大丈夫なのか確認しつつ、挨拶ぐらいはと思いフランス語で話し掛けました。とまあ最初はフランス語を使ったものの、通訳の方が東京の大学に修士として留学中ということもあって日本語が頗る上手い。自分で下手なフランス語を使って失礼な言い方をしてもまずいのでその後は通訳の方に頼りっぱなしでしたが、いや実にフレンドリーな印象。会場の準備だけのつもりがすでに準備という程のものはなく、もし作品を持ってたら出してくれと言われ、予定してなかったので纏まっていない画像もろもろをiPadで見せたりしつつ、これはいいとかあれはだめとかそんな話をしていました。

マグナムの日本支社の方によるとワークショップの実施が決まったのが本当に直前だったとかでほとんど告知する余裕もなく、2日で5万という値段に引いたのか、あるいはマグナムという名前に怖じ気づいたのかよくわかりませんが、今回の参加者はなんと私を含めて5名。結果的に見てこれは多分良かったんですけどね。募集は10名程度までとのことだったのですがこの人数だから、ということもあって翌日はピンカソフの提案により朝から横浜の魚市場へみんなで撮影と相成りました。

で、まあ詳細は参加した者の特権なので詳しくは書きませんが、いや流石でした。なにしろTarkovskyに認められたなんていう方ですからね。一緒に撮っていて思ったのですが、光(あるいは色かな)に対する感覚が一般人とは明らかに違いました。朝方は市場まで行く途中に雨が降に降られたのですが、それがかえって良かったかな。昼過ぎからは雨も上がって、ただ晴れているよりは光の状態が変わって撮影するにはおもしろい効果が得られたように思います。


http://instagram.com/pinkhassov
↑実は普通にInstagramをやってらっしゃるのですが(笑)これを見てもわかる通りに鮮やかな色、金属、鏡、ガラス、水といった反射物、ひらひらしたもの、等々を見るとめざとく反応し近づいて行き、動画を撮ったりします。そしてそれが、当たり前ですが本当にいちいち上手い。元々抽象絵画とか幾何学的なものが好きな方だったようで、別に「何かを主張する」ための写真ではない場合が多いというのは、私も元々そういう写真がわりと好きなのですが、どちらかというとドキュメンタリー性に重きをおいた写真家が多い(と思われる)マグナムにおいてやや特異とも言えるかもしれません。とはいえ機材もごく普通の一眼でしたし、別に特殊なものは何も使っておりませんでした。ていうかiPhone4Sでも撮ってましたしね、それであんなものすごいの撮られてもね… 真似するのは無理ですわ。

魚市場からパシフィコまで戻ると、部屋でそれぞれにノートパソコンに向かい、データを移してプロジェクターに映して発表という。まあたぶん海外の写真の専門の学校とかでよくやるようなスタイルなのではないかと思います。一日目はそれで終了して帰宅。二日目の日曜日はどこに行こうかとみんなで話し合いになり結局、鎌倉に決定。電車で移動して北鎌倉→鎌倉の山道を移動しつつ寺とかにも寄って撮影。遠足のようでした。マグナム御一行様(笑)で、またパシフィコに戻ってデータを加工→発表して終了。

海外でマグナムがこういうワークショップをする際には大体3〜4日で10万ぐらいというのが相場とのことなので、決して高くはないような気はしますが、広角レンズは遠退きました。まあ広角はいつでも買えますしな。マグナム日本法人の方は「またワークショップやりますよ!」っておっしゃってたので、じゃ、次はダガタあたりでお願いいたします(笑)と言っておきました。ベンディクセンあたりも萌えるなあ。などと妄想は膨らみます。それにしてもこういうのに参加出来て、D800を買った価値もあったというもので。高いけれど安かった… かな? とても贅沢な時間でした。


Gueorgui Pinkhassov
http://www.magnumphotos.com/C.aspx?VP3=CMS3&VF=MAGO31_10_VForm&ERID=24KL53ZVNE

Antoine D'Agata
http://www.magnumphotos.com/C.aspx?VP3=CMS3&VF=MAGO31_10_VForm&ERID=24KL53T_6

Jonas Bendiksen
http://www.magnumphotos.com/C.aspx?VP3=CMS3&VF=MAGO31_10_VForm&ERID=24KL53580A

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