今さらながら一眼ムービーを考える

今まで動画と中判デジバックに関しては「沼どころじゃない、そっち行ったら死ぬぞ」と思っていたので今まで頑なに見ないことにしていたのですが、多少暇なうちにできることは増やしておいたほうがいいと思い始め、最近いろいろと調べております。

今メインはD800なので、H.264 1080p 30fps(full HD)までは撮れるんですよね。最高画質での連続撮影時間は約20分、720pまで落とせば約30分(いわゆる30分の壁)までは撮れますが、較べてみたところ1080pと720pの差はかなり大きいので、動きの速いもの等どうしても60fpsで撮りたいということでなければ1080pで撮るのが正解と思います。D810であれば1080p 60fpsも使えますが、仕様を見る限りでは一度に10分しか撮れなさそうですね。

まあNikonにしてみれば多分、ウチは動画屋じゃないんで長時間動画撮りたい方はHDMI出力付けときましたんでBlackmagicかAtomosあたりの外部レコーダー繋いでくださいということでしょうけど。ていうかクロサワじゃないんですから普通そんなに長回ししないでしょう? という話で。ええまあ。1カットが20分を超えるようなのってクラシック主体の演奏会か舞台演劇、あとインタビューくらいかな。長く撮れるに越したことはないですが、そうすると今度はセンサーの熱が問題になってきますし、十分といえば十分か。

D5とD500が4K動画が撮れるということで話題になっておりますし、私も期待しているところではあるのですがこの感じだと実は4Kで一度に撮れるのは5分とか、30分までは撮れるけどファイルが6個生成されますとか、30分で生成されるファイルサイズは約24GBになりますとかになる予感。なんか外部レコーダーを前提に考えた方が良いような。どうせ4Kで撮るのならH.264よりはProResで撮った方が良さげな気がしますしね。

というわけで当面は1080p 60fpsで撮れるのなら私はそれで十分です。4Kに慣れちゃうと1080pでも物足りなくなるでしょうけども。30fpsでは正直ちょっとカクカク感があります。まあH.264でもかなり綺麗です。実際ファイルサイズを考えると動画で無圧縮とか考えただけでも気が重いですし。D500の画素ピッチのままのD810後継機が出てきたらISO12800あたりが普通に使えるフルサイズムービー機になると思うので、それは是非欲しいところですが。解像度よりも高感度の方が大事。

ちなみにD800で動画を撮ってみて意外に使えると思ったのが、NIKKOR 20mm f/1.8Gであります。デジタルになってからソフトウェアで補正が効くので補正前提で歪曲が大きいレンズも結構多いと思うのですが(とくに高倍率ズーム)動画の場合、少なくともD800はボディ内の自動補正は効かないのですよ。PCで補正用のソフトウェアを適用するという手もあるにはありますが、手間も掛かるし画角も削られますし。その点20mm f/1.8Gは元から歪曲が全然ない。これが素晴らしい。

例えば音楽の演奏を撮ろうとした場合、とくにあまり広くない会場で複数人の演奏者がいてパンフォーカス的に撮りたいとなった際にも、2m以内くらいの距離でF2.8〜3.2まで絞ればわりと良い感じに解像します。ただ左右の最周辺はやはり歪みますが。その点はAPSサイズのボディを使うかクロップするかすれば30mm相当になり、被写界深度も稼げるのでなかなか使いやすいのではないでしょうか。欠点としては28mm f/1.8Gも同様ですが、インナーフォーカスの所為かAF時に画角の変化があるのでフォーカスを動かすのは諦めましょう。

あとは音声ですね。D800内蔵の音声もリニアPCMで撮れるので決して悪くはないのですが、いかんせんカメラですので外部ステレオマイクを繋いでもノイズは乗るし、タッチノイズやレンズのフォーカスの音も防げません。ということでそれに関してはSONYのICD-SX2000を買いました。これでひとまず96kHz/24bitでは撮れますし、192kHzやDSD録音まではやってられないというかさらにそれ用にプロ仕様のコンデンサマイクを複数本維持するのは無理ゲーだなと思いましたので、もしこれ以上を望むのならば専門の音声さんを雇ってくださいという感じです。音声のマスタリングに関してはCubase Elements 8があるのでそれでOK。

さらに標準〜中望遠レンズでMFも使うとなると外部モニターも欲しくなるでしょうし、動画向きのレンズとかも欲しくなるでしょうし、加えてPremiere Proらへんのソフトウェアを維持するコストとかも考えると「嗚呼、深海に足を踏み入れちまったなあ。いけねえ」というそんな気分‥ 微妙。以上ニコンユーザーから見た動画機能のレポートでした。

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